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愛の世界観 [コラム]

 絹の靴に銀の刺繍糸。映画や漫画や音楽小説絵画に生き様。そこには世界観というものがある。ルパン三世の主題歌としては、男には自分の世界があるもんだという。例えるなら夜空を駆けるヒトスジの流れ星である。その後とりあえず「ルパンザサー!」とか絶叫しなければならない。その際、コメカミに浮かぶ血管の具合などが芸術点として加味されるから、ポイントは重要だ。それがルールだ。僕にもキミにも、そしてあらゆる女の子ベイベーも、夜空を流れる流星となるようなそんな世界観がある。

 映画の中で、「飛べないブタはただのブタだ」とタフでハードボイルドなブタが言った。「考えるな、感じろ」と燃えるドラゴンの人がいった。「やり方は三つしかない。正しいやり方。間違ったやり方。俺のやり方だ」そしてカジノの人がそう言った。僕らは口をあけて眺めている。「うぁーかっちょいー」それを眺めていたりする。後日、渋い顔をして女の子ベイベーにそう言いたくなるのは仕方がない。

 渋くキメた微笑。「飛べないブタはただのブタだ」とタフでハードボイルドな僕が言った。「ああそうまったくねえ、何よこのだらしない腹は。ちゃんと腹筋してるの?」女の子ベイベーはどーも北斗のケンシロウみたなことになっていて、ハート様に向けるような冷めた目で「豚は屠殺場に行け」とか言っている。あんまりだ。「考えるな、感じろ」と萌えるドラゴンの僕が言った。僕はガムテープを局部にバミッて猥褻物を陳列しても罪にならないように準備していた。ライブでウケるためとはいえ多分、どーしてこんなことをしているのかなんて考えたら、負けてしまうような気がした。女の子ベイベーは言った。「考えないのは良いとしても、それでキミ、感じるのはドーかと思うわ」僕はそれでも言ってやるわけで。「やり方は三つしかない。正しいやり方。間違ったやり方。僕のやり方だ」「キミ、明らかに間違ってる」その後、説教である。なかなか映画みたいにいかないのは多分、いろんなところで僕が間違ってしまったからなんだろう。

 僕らは間違える。実に様々なことを間違える。掛け違ったボタンのようにうまくいかないそんな時には、無意味な喧嘩もしたりする。愛と情熱と浪漫あふるる二人の世界。そんな喧嘩も多分、二人の世界ってことなんだろうベイベー。きっと、何一つ正しいこともなくて。きっと、何一つ間違ったことなんてなくて、ただただ世界は今日も美しい完璧なパーフェクトワールド。僕らは何処で間違ってしまったんだろう。それでも、この美しい世界で息をしているんだ。

 僕は、ギターを抱えてそんなことを言っていた。
 ガムテープの他は全裸だった。
 女の子ベイベーは無言で便所スリッパを取り出した。

 昼でも流れる流星が目の奥に見えたのは、多分相当痛かったからだ。

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