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移転します [コラム]

移転しました



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愛のうっかり [コラム]

 うっかり眠ってしまう。肉体に溜まった疲労。精神的に溜まった疲労。疲れてるんだよ。身体に力が入らなくて、弛緩する。なんだか暖かい。なんだか眠い。とても眠い。まぶたが重い。目を閉じると、今日あった色々なことが思い出される。考えなきゃいけないことは山積みで、考えたくないことの物置は一杯で、棚に上がってるものが落ちてきそうで、人生を振り返ることは危険だった。こっちよー。まるで三途の川の向こう側みたいに夢の世界が手招きしてる。僕は財布を確かめる。あの川を渡るためには、渡し賃として6文くらい、いるらしい。お釣りを貰うのも面倒なので、僕はクレジットカードは使えるのかどーか気になっていた。

 夢の世界ってのは随分と馬鹿げた代物だ。初夏の海辺に打ち寄せる波の向こうにはLOVEと書いてあって、波がさらっていった。水平線では戦艦富岳が大砲ぶっぱなしていて、見上げる空にはスーパーシルフ。メイヴ雪風がぶっ飛んでいった。そして女の子ベイベーはスクール水着だった。遠くでブルースギターの音が鳴っていた。まったく意味がわからない。僕はタフでハードボイルドなトレンチコートの襟を立てて、メンソールのタバコをくわえて、そこいら辺を歩いていた。フロイト先生にいわせると多分、性的欲求不満なんだろう。あのヒトはいつもそうだ。

 メランコリックなメロディ。夢の中に、疎遠になってしまった友達が出てくることはよくある。多分、きっと仲直りしたかったんだろう。夢の中に、優しく出来なかった女の子ベイベーが出てくることはよくある。多分、きっと優しくしたかったんだろう。夢の中で、しあわせなもう一つの未来を見ることはよくある。多分、僕はそれを選ばなかったからだろう。選びたかったのかもしれない。夢の中で僕は、それが夢だということに気づいていた。あの子はとっくに結婚して子供までる筈だ。

 どうせ夢なんだし、コスプレした女の子ベイベーにやりたい放題の酒池肉林とかとか景気のいいことでも考えればいいんだが、僕にはそれができなかった。

 スクール水着ベイベーに言った。
「ずっと、謝りたかったんだ。あの時は色々わかんなくてね」
「そう、でもいいよ」
 なんて、都合のいいことを言ってくれるベイベー。スクール水着。略してスク水である。
「もう一度やり直してみたいなんて、思うかい」
 ただ微笑む。スク水ベイベー。そして驚くべきことに眼鏡っ子だった。
「そうだな、僕はきっと、僕のままだからな」
 波の音が聞こえた。度入りの水中眼鏡の眼鏡っ子ってのはドーなんだろうなーとかいらんことを考えていた。
「そっちも幸せそうで、よかったよ。眼鏡にしたのかい。似合ってるぜ」
 女の子ベイベーは無意味に、水着のケツの部分のズレを直していた。
 うるんだ瞳で僕を見る女の子ベイベー(スク水&眼鏡っ子)

 そこに、憧れたものや、失ってしまったものが沢山あった。
 僕は息が苦しくなった。
 僕は息が苦しくなった。
 何故かわからなかった。
 ただ、胸が苦しくなった。

 そこで目が覚めた。

 風呂で溺れかかったのは多分、それっきりだ。
 きっと、まだまだやることがあるってことなんだろう。

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メイド服ってのもよかったかもしれない
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愛の世界観 [コラム]

 絹の靴に銀の刺繍糸。映画や漫画や音楽小説絵画に生き様。そこには世界観というものがある。ルパン三世の主題歌としては、男には自分の世界があるもんだという。例えるなら夜空を駆けるヒトスジの流れ星である。その後とりあえず「ルパンザサー!」とか絶叫しなければならない。その際、コメカミに浮かぶ血管の具合などが芸術点として加味されるから、ポイントは重要だ。それがルールだ。僕にもキミにも、そしてあらゆる女の子ベイベーも、夜空を流れる流星となるようなそんな世界観がある。

 映画の中で、「飛べないブタはただのブタだ」とタフでハードボイルドなブタが言った。「考えるな、感じろ」と燃えるドラゴンの人がいった。「やり方は三つしかない。正しいやり方。間違ったやり方。俺のやり方だ」そしてカジノの人がそう言った。僕らは口をあけて眺めている。「うぁーかっちょいー」それを眺めていたりする。後日、渋い顔をして女の子ベイベーにそう言いたくなるのは仕方がない。

 渋くキメた微笑。「飛べないブタはただのブタだ」とタフでハードボイルドな僕が言った。「ああそうまったくねえ、何よこのだらしない腹は。ちゃんと腹筋してるの?」女の子ベイベーはどーも北斗のケンシロウみたなことになっていて、ハート様に向けるような冷めた目で「豚は屠殺場に行け」とか言っている。あんまりだ。「考えるな、感じろ」と萌えるドラゴンの僕が言った。僕はガムテープを局部にバミッて猥褻物を陳列しても罪にならないように準備していた。ライブでウケるためとはいえ多分、どーしてこんなことをしているのかなんて考えたら、負けてしまうような気がした。女の子ベイベーは言った。「考えないのは良いとしても、それでキミ、感じるのはドーかと思うわ」僕はそれでも言ってやるわけで。「やり方は三つしかない。正しいやり方。間違ったやり方。僕のやり方だ」「キミ、明らかに間違ってる」その後、説教である。なかなか映画みたいにいかないのは多分、いろんなところで僕が間違ってしまったからなんだろう。

 僕らは間違える。実に様々なことを間違える。掛け違ったボタンのようにうまくいかないそんな時には、無意味な喧嘩もしたりする。愛と情熱と浪漫あふるる二人の世界。そんな喧嘩も多分、二人の世界ってことなんだろうベイベー。きっと、何一つ正しいこともなくて。きっと、何一つ間違ったことなんてなくて、ただただ世界は今日も美しい完璧なパーフェクトワールド。僕らは何処で間違ってしまったんだろう。それでも、この美しい世界で息をしているんだ。

 僕は、ギターを抱えてそんなことを言っていた。
 ガムテープの他は全裸だった。
 女の子ベイベーは無言で便所スリッパを取り出した。

 昼でも流れる流星が目の奥に見えたのは、多分相当痛かったからだ。

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真っ赤なバラはお前のビルクチ
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愛の空想上の生き物 [コラム]

 授業中はひどく退屈な時間だった。おまけに女の子ベイベーもいないような灰色の男子校生活。先生が口角泡を飛ばして「聞いているのか?!」などといってるが、まったく聞いていないことなど言うまでもない。やる気のない僕らは窓の外ばかり眺めていた。さりとて学校の授業なんぞクソの役にも立たないというのは実際言いすぎで、実に愉快な様々なことを教えてくれる。三角関数が実社会で役に立たないなんて嘘だね。明日役立つ無駄知識くらいには役に立つから多分、僕ら、知識の剣は沢山もっていても、きっとうまい使い方を知らないだけなんだろう。そこまで教えちゃくれないからさ。たとえばまさか、サイン・コサイン・タンジェントという名曲がそこから生まれて三角関数ダシにして金が儲かるなんて思いもしない。大気圏に突入する時だって角度は重要だ。まして女の子ベイベーが「あたし酔っ払っちゃったみたい」なんつって僕にもたれる角度ならば、ティーチャーが言うところの最優先事項に決まっているだろう。そして僕は当時、自分が将来まさか分度器でヘソまで反り返った時の仰角を測ることになるとか想像だにしなかったわけだ。「角度が重要なのね」「角度が重要なんだ」

 三角関数でボロ儲けする方法の代わりに、うすた京介先生が書くようなスガスガシイ笑顔で僕は、窓の外を眺めながら空想の世界。白昼夢の中で胡蝶になっていた。まだ見ぬ女の子ベイベーとの浪漫あふるる「あはは」「うふふ」「こっちよー」「まてまてー」「きゃはーん」などという噴飯物の青春汁垂れ流し脳みそ膿んで耳から出てんじゃねえのかって夢の中にいた。それこそまさに夢の生き物である。後日やったことあるけどな。ああ砂浜にLOVEとか書いたさ。お約束は大好きなんだ。話がそれたがモトに戻そう。

 健全な男子校学生にとって女の子ベイベーという空想上の生き物は、大体現実とはかけ離れたものになっている。「がんばれカッちゃん甲子園」とか言ってくれるわけである。レオタード着てリボンこねくりまわしながらである。口のハシにタバコくわえて、夢は夢のままでよかったのかもしれないと後世思うことになるのだが、リアルみなみちゃんは「いや無理。あれは無理」と即答していた。「みゆきならどうだ?!」「え、中島?!」なにをかいわんやという話である。

 空想の中で、空想上の生き物が言った。「全部思い通りになる女の子なんてつまんないでしょう?」「いやゼンゼンまったくちっともかけらも」「無敵モードが楽しいのは最初だけよ・・・スターソルジャーだってそうだったじゃない」「・・・そうかもな」

 そして僕は、苦笑いを浮かべながらリアル女の子ベイベーのハートをノックする。
「やあベイベー、今夜こそは口説き倒してやるぜえ覚悟しろ」

 1面でゲームオーバーになったことは言うまでもない。

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あの頃本当に女の子って空想上の生き物だった
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愛の強制捜査 [コラム]

 センシティブな僕らはプライベートな時間を大切にしたい。だから便座はウォシュレットであるべきだ。そして便所の中で本を片手に優雅な時間を過ごしてる。表紙のタイトルは「ロック作詞講座」うーん、・・・マンダム。理由なき反抗のカタマリみたいなロックの魂を学術的に「これはね、こうでね」と解説を試みることがもう既にロックだ。僕はペラペラと中身をめくる。「あいにきてI・NEED・YOU!」ロックだ。僕はそんなメロディを遠い記憶の中で反芻し、ロックの作詞とはかくも奥ゆかしいものであったかと思っていた。ガチャリと便所の扉が開いた。「警察だ!」とか言わんばかりのイキオイだ。さっそく逢いにきたらしい。僕は両手を広げてウエルカムとでもいいたいところだが。「あ、入ってたの?」「僕のプライベートな恥ずかしいシーンをそんなに見たいのか?」「いらない」バタン。扉が閉まった。ちょっとドキドキしていた。洋式でよかったと本気で思う。和の心ってヤツぁ、そーゆー時には逆効果にしかならないからだ。

 プライベートな部分を見せてもいい相手ってのは当然限られる。相手がそんなに見たがるとも思えないが、見たいというのなら見せてやるのもやぶさかではない。むしろ見てほしいような気もする。この時のポイントはやはり、羞恥心というヤツだ。あっけらかんとハイドーゾではいかにも当然で、オモムキとゆーものが感じられない。そもそもそーゆー相手に対して、「自分だけの秘密、心を開いたあなただけに特別にご奉仕、お電話は今、すぐ!」という嬉しハズカシの場面である。ほんのり顔が赤くなるのも当然である。まして「いやん」とか「だめん」とか「ああっみないでっ!」なんていわれたらたまらない。どないやねん。どーなっとるのんやねん。ハアハア。無意味に高まるボルテージ。そして僕は、女の子ベイベーの秘密みたいに隠されたベールを、ドキドキしながら脱がしてみるのであった。外された文庫カバーの下は銀色夏生センセイのラブポエムであった。

 見つかったら困るものを、引き出しを全部出し切ってその中にしまい、また引き出しを戻すようにして隠してる。ちょっとやそっとじゃ見つからないぜ。でも、あんまりメジャーな隠し場所だから一撃でバレそうだ。みつけて欲しいのは多分、エロ本よりも僕のピュアーなハートの方で、気づいてほしいに決まってる。でも、「ははん、あんたあたしに惚れてるね」とか言われるとなんかムカつくので「そんなことないやい!」とかつい、言ってしまう。素直じゃないのさ。今にはじまったことでもないけれど、今はまだ隠しておきたいことだってあるんだよベイベー。

 そこに警察ですよ。ミニスカポリスの格好をした女の子ベイベーが「開けろ!令状が出ているんだ!」とか何とか言いながら、僕のピュアーなハートを家宅捜索することはよくある。探したって何も出てこないぜ。涼しい顔で眺めている。そして、机の引き出しを調べはじめた。女の子ベイベーはニヤリと不敵な笑みを浮かべると、一気に引き出しを抜き出しきったではないか。ちょっ!おまっ!そこはっ!

 そこには、書きかけのラブレターがあった。文面はたった三文字。「きみが」

 捜査はそこで暗礁に乗り上げた。事件は迷宮入りになった。

 「きみが」その次の二文字が、みかん汁で書いたあぶり出しになってることまでは気づかれなかったようだった。

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大事なことはいつも、多分みかん汁で書いてある
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愛のはじまり [コラム]

 破滅の音階を駆け上るような恋の終焉。「さようなら」女の子ベイベーがそう言い出すのも時間の問題。そーゆー時の予兆なんて、雰囲気でわかるものさ。理由は様々だ。恋が始まるのに理由がないのであれば、もちろん終わる時にも理由なんて大したものはない。「足が臭かった」「いびきがうるさい」「鼻毛が長い」「実はロリコンだった」「ふたりは!」と叫んだ時に「プリキュア!」とかいってくれない。などなど実にどーしょーもない理由で恋は、冷めて醒めて褪めて覚める。それが前世ネームで呼び合うような100年の恋でもさ。

 何事も、見込み違いってことはある。相手に対するドーパミンあふるる幻想は夢物語の登場人物を要求し、「すまん僕は、僕は、変身したりとかできないんだ!」なんて今更のような衝撃の新事実が発覚する。女の子ベイベーは紅天女が人間じゃないって知ったくらいの驚きだ。いわれたベイベー、黒い背景しょって瞳がなくなり、くずれおちるようにガックリ。その後舞台荒しとして恐れられたりするのかどーか知らないが、変身できない僕でもさ。ライダーマンくらいにはなりたかったものだよ。

 汚れた僕らは穢れているから、相手に綺麗でいてほしい。「あの子はう○こなんてしないんだ!」という歪んだ幻想のもとに建造されたベルサイユ宮殿に、便所なんてそもそも無かった。あるにはあったが無いのと一緒。その結果ご婦人のドレスは、薔薇園の片隅でそのまま用が足せるようなバカでっかいジオングみたいなスカートになった。「おほほ、ちょっと花を摘みに行ってまいりますわ」といえばつまり、そーゆーことである。便所がないというたわけた事態から巻き起こる未曾有の狂乱。それがルイ14世の、自分自身の、若さゆえの過ちなのかどうか知らないが、認めたくなかったんだろう。そして後ろから何者かに殴れた。「何故だ!」国民全員が心の中で思った。「・・・坊やだからさ」

 汚れた顔でこんにちは。キミに逢いに来たんだ。僕はコキタナイぜ。自分勝手でワガママでB型で適当で世間知らずで能無しで足が臭くて風呂に入ってなくてロッカーでおたんこなすで不潔で不純でそれからエロい。足の小指の爪だって変なカタチをしている。あえて言おう!カスであると!にもかかわらず今日まで戦い抜いてこられたのは何故か!それはベイベー。鼻に指をつっこんでるキミでも、僕はまだ、好きだからさ。ベイベー、我々は幻像で出来た一人の英雄を失った。これは敗北を意味するのか?

 恋がさめた時。終わりは多分、何かのはじまりなんだろう。

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笑うなよ、兵が見ている
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愛の電化製品 [コラム]

 電化製品は随分便利な代物だ。ぱっと見回しただけでも、目の前にあるパソコンは電化製品だし、DVDデッキだって電化製品だし、エレキギターはその名の通りだし、全自動洗濯機だって電化製品だし、バイブだって電気の力で動いてる。もちろん携帯電話の機能のことだが、あのモード表示はドキドキするから何とかならんのかといつも思う。人間技を越えた振動で僕らを呼び出すそれは、ズボンのポケットに忍ばせておくとなんか、いらん本能まで呼び出してくれるから困るんだ。そんなロマンチックな夜を演出する前には、カウチでポテトでもキメながら小洒落たムービーでも鑑賞したい。

 僕らはソファに座って、テレビを眺めていた。買ったばかりのDVDデッキ。7000円。それを取り囲むように、5.1チャンネルのスピーカーとウーファーが適当に並べられている。それも込みで7000円。安い。あんぐりと口を開けたデッキにコンビニで買ってきた1980円の「ラストサムライ」を食わせると、僕はリモコンの再生スイッチを押した。「ぁポチっとなー!」「なにそれ」「ボタンを押すときの由緒正しい掛け声だ」「ふぅん」そして、タイトルバックが画面に流れ始めた。「やけにうるせえデッキだな。80年代前半以前の共産主義労働者がこれでギャラは一緒とか言いながらヤケクソで作ったロック的なデッキなのか?」「さあ?」ボヒョーン。振り向くと、ヒューズか何かがぶっとんだ音がして、デッキからまるで知恵熱みたいに煙が上がっていた。「・・・。」「こりゃまた随分漫画的だ。キャンディキャンディみたいに頭っから煙ふいてんぞ」「そんなことよりトムさんが見れないわ」

 どーやらこーゆー時は男の子の出番らしい。メカに強いのは男の子の傾向であり、そして、僕はドライバー1本で早速デッキの修理にとりかかった。「分解!」「なにそれ」「フェイスレス先生の真似」フタをあけると、基盤の上の電気部品が見事に爆発していた。僕は軽く手を合わせると、見なかったことにしてフタを閉めた。ため息をつく。「どう?」「ヤツの生き様はロックだったよ」「え?」早すぎる死だった。人生を駆け抜けたあいつは、約二名のファンとDVD一枚を置き去りにして伝説となり、惜しまれながら逝った。最初で最後のステージは、オープニングが始まった時点での脳溢血だった。今頃きっと天国のジミヘン達とスポット浴びて同じステージに違いない。まさかラストサムライのかわりにDVDデッキのロックンロールショーを見ることになるとは思っていなかったので、僕らは途方に暮れていた。どっちかとゆーと、DVDデッキの方がラストサムライだったのかもしれない。

「あたしが見たかったのはDVDデッキのラストサムライじゃなくてトムさんのラストサムライなのよ!」
「思うに、僕らは電化製品に頼りすぎてると思うんだ。キミと浪漫チカルな夜を過ごすのに必要なのは、別にトムさんじゃないだろう?」
「浅野忠信さんでもいいと思うわ」
「いや僕は?」

 あの子はニッコリと微笑んだ。

 そして、家までプレステ2を取りに行くことになった。

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ロック的なDVDデッキはもういらない
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愛のインザミラー [コラム]

 朝おきたら鏡を確認した方がいい。そこにルージュで「グッドバイ」とか書いてあったりしないかとゆーことだ。それが危機感からくるものなのかどうか知らないが、タフでハードボイルドな人生をやってるからといって、半径50m以内の敵が寝込みを襲ってきたら瞬時に気づくとかそーゆーことはない。もしも、特殊部隊「月光」とかが家のまわりで強襲作戦を展開しようものなら、その間僕は「むにゃむにゃもう食べられない」とか何とか言ってる自信がある。ありまくる。隊員が部屋のドアを蹴飛ばして入ってきて、やおらガスコンロで湯を沸かし、カップヌードルシーフード味を食いながら恋愛ゲーム「トゥハート」のマルチシナリオをクリアして、僕の大事なエロ本を三冊くらい読破した後に、鏡にグッドバイとか書いて帰っていってもまったく気がつかない自信がある。だから、朝起きたらまず鏡を確認しなくてはならない。

 幸いグッドバイとは書いてないらしい。かわりに鏡の中では、とぼけたツラの男が僕を見ていた。よう、男前。今日も寝癖がビンビンだな。朝っぱらからビンビンなのはいいが、もっと他にビンビンになるべき場所があるんじゃないのか。最近疲れてんのかい?でもだからってジョッキに卵と牛乳とオロナミンCとユンケルぶちこんでゴブゴブ飲むのはやめた方がいいぜ。素人にはおすすめできないからな。五臓六腑に染み渡らせるなら、それよりはまだ酒がいい。早死にするようなロックンロールもいいけどさ、たまには歌えよ歌謡曲。ジョニーのBがグッドなんだか知らねえが、お前、ジョニーは男だろう?

 鏡の中の男は朝っぱらから言いたい放題だったが、男の顔ってヤツには人生が現れてるもんらしい。まったくたわけた人生だ。いつも損ばかりしている。貧乏くじばかりひいている。優しくされた回数よりも、ひどい目にあった回数の方が多い。そんなもんだ。だから、とぼけた顔の男にこう言ってやったってわけさ。OK、お前の言いたいことはわかったよ。でも、オレ達は知ってるはずだ。楽しかったろう、今まで。だから、これからもよろしくな。そこまで言ってニヤリと笑った。鏡の中の男もニヤリと笑っていた。デストロイよろしくぶっこわれた目覚まし時計。代わりにセットした曲はタフボーイだった。そんな狂気と希望と幻滅のまっただなかを、僕らは不敵な顔をして駆け抜けて行く。ちなみに風のヒューイとか大好きだ。2コマでやられたけど。

 ベイベー、僕はうまく笑えているか。僕は誤解されてはいないか。僕の人生はちゃんとその笑顔に現れているだろうか。不敵な笑みを浮かべた僕を前にして、女の子ベイベーは言った。

「ふきだしつけて、うひょひょひょー、とか書いたら似合いそうだわ」

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笑顔がエロくさいとか言われたことはありますか
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愛の遅刻理由 [コラム]

 流れる汗もそのままに、僕は走っていた。別に「愛してるってゆってたじゃない!」とか言われながら包丁持った女の子ベイベーに三枚におろされそうになってるわけではない。単純に遅刻しそうになっていただけだ。遅刻はよくない。学校は、「ごめ~ん、待ったぁ?」などと言ったところで微笑みながら許してくれたりはしない。遅刻だ。その劣等的な単語は、教室の廊下でバケツ持って立たされるようなイメージとともに僕らを急がせる。約束に遅れる理由は様々だ。遅くまでゲームしていたとか、麻雀していたとか、酒飲んでたとか、女の子ベイベーが寝かせてくれなかったとか、愛犬のペスが行方不明になってて夜通し探してたとか、プチプチをつぶしていたとか、天井のシミがヒトの顔に見えて眠れなかったとか、人知れず世界の平和(近所限定)を守るためにヒーロー戦隊の一員しかも緑になって戦っていたとか、盗んだバイクで走り出したものの当然行く先なんかわからないからおもいっきり迷子になって半泣きになっていたところ、250km離れた他県の警察に職務質問されたあげく保護されていたとか、目覚まし時計の電池が切れていたとか、色々だ。

「どうして遅れたんだ」と先生は言った。本当のことなど言うわけにはいかない。口から出任せは得意技だった。「ええ実は、ちょっと複雑な事情がありまして」僕は脊椎反射で言い訳を考え始めていた。

 昨夜未明、いつものやうにわたくしはテレビ消して寝やうと思つたのですが、やおら巨大な婦女子の胸元が画面いつぱいに映し出されておりまして、正義感にあふれるわたくしですから、かような不埒な番組はけしからんと思い文句をいつてやるために丹念に眺めておりました。するとその時、窓の外でドンガラガッシャンゴンヌズバーと不審な物音があがりまして。すわ、何事?と慌ててテレビを録画スタンバイしながら外に飛び出しましたところ、これまた巨大なおつぱい星人とおぼしき銀色のスーツに身をまとつた、やたらめったらボディラインを強調した金髪美女が「たあすけてえ」と謂ふではありませんか。正義感にあふるるわたくしのことですから、何故このヒトは金髪のくせに日本語を話すんだろうスト2のケンみたいだなあ眉毛黒いしとか余計なことは思はず「まかせろべいべえ」と言って自慢のトカレフをぶっぱなし、やあやあ我こそはバキューン遠からんものはズドーンなどと丁々発止、縦横無尽、天下無双、八面六臂、焼肉定食の大活躍をいたしました。するとこの金髪美女がこれまた巨大なおつぱいをわたくしの腕におしつけてきやがりまして「たすかったは」と言ったが早いか「ちょほいとまちなは」との男声、なにやらテンガロンハットにボロボロのマントを羽織った正体不明のヒトが出てきやがりました。これがまたまるで車田正美先生が描いたかのやうに顔が真っ黒で。なんだこのバカヤロウは折角いいところなのにと思つていたのですが、なにしろ初対面の人です。わたくし、ぐっとこらえまして「なにかごようですか」とお訊ねいたしました。すると、いま宇宙では云々と長々と口上をたれはじめ途中まで聞いていたのですが結局彼の言うことには幸運のツボを買うと今なら高枝切りばさみがついて何と五万円で大ご奉仕このチャンスをお見逃しなくいうことで、ツボはいらんが高枝切りばさみはいるまけてくれなどと口論になつておりましたところ、うちの母親が色んな意味でヤバいネグリジェ姿で「こんな夜中になにをやつている」と説教をたれはじめやがりました。わたくし、顔の黒い謎の男と金髪のおつぱい星人と三人半泣きで朝まで正座させられておつたのですと。

 ここまで2秒。しかし結局悪いのが誰なのか自分でもよくわからない。これは困った。理由を言い出す前に僕は一体どーやってこの話をまとめようかと苦悩していた。スパークする脳細胞。太宰治もかくやといわんばかりの苦悩っぷりである。無言の僕を前にして先生は、何を勘違いしたのかこう言った。

「そうか、家庭の事情ならまぁ仕方がないな」

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愛の格好良さ [コラム]

 ドブネズミみたいに格好よくなりたい。僕らは気の弱い婦女子ベイベーだったら座り小便で気絶するくらいの美貌とか容姿は持ち合わせていないから、実に様々な方法を試みる。ポーズを決めてみたり、髪の毛をダイエースプレーで固めてみたり、モミアゲを伸ばしたり、単車のマフラーを左右6本出しにしてみたくなったりする。あんまり理解されない。オーケーベイベー、最新流行のファッション事情とはどんなもんだろう。スイッチオン。テレビ画面の中では、時代の最先端を突き抜けたような宇宙的なファッションショーをやっていた。見て思うことは、orzとかポチポチ押しながら僕には無理ダと思うことであった。考え方を変えよう。ヒトは見た目が9割なんて言葉もあるけれど、装飾はあくまで装飾なので、飾り立てる本体こそが重要なんだ。生き様が格好良ければ、外見ににじみ出るオーラちからこそが最強の着衣となり、女の子ベイベーの皆さんも「キャー」とか「素敵ー」とか「あはー、終電なくなっちゃったー、どーしよっかー」とか言ってくれるに違いない。多分そうだ。ダンバインだってそれで動いてる。

 とある先輩は心臓病だった。身体が弱い先輩はがんばって鍛えた。その結果、心臓病にもかかわらずモノスゴイ筋肉のヒトになった。先輩、先輩は卒業したらどうするんですか。先輩は言った。「オレは、ヒトより身体が弱いからな」悲しそうな目をしていた。ちなみに、学園一のスーパー筋肉だった。「だから、ツチノコを探しに行こうと思う」まったく意味がわからない。多分、凡庸な僕にはうかがい知れぬスーパーな事情があったんだろう。そんな、何かを超越したような生き様を格好いいと思ってしまった。

 格好よさには説明できるような理由なんて多分ない。例えばコウモリ傘ヒトツで大気圏突入を試みる男は格好いいと思う。ぶっとんだ生き方が理解されなくても、自分が信じる格好よさってもんがあるはずだ。答えは見えた。そんな生き様のオーラちからを身にまとい、女の子ベイベーをキャーとかいわせるのが最終奥義に違いない。オーケーベイベー、まかせろ。

 スポットライトの下で僕は、イカレたTシャツを着てギターを構える。ライブとは読んで字の如く生き様である。イッツァショータイム。ロックンロールいずヒアトゥステイ!そしてマイクスタンドの位置を調整して、こう言ってやったってワケさ。「ベイベー、惚れるとヤケドするぜ」あふれるオーラちから。目論見どおり女の子ベイベーの皆さんはキャーと言った。

 ズボンをはいていなかったからだ。

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全裸はヤバイからもうやらないと思う
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