愛の歴史上人物 [コラム]
会ってみたい人や話してみたい人は沢山いるけど、歴史上の人物とゆーのはドーだろう。マリー・アントワネットや聖徳太子、アレキサンダー大王、ジミ・ヘンドリックス、ツタンカーメン、風船おじさんといったお歴々に会ってみたいかといわれれば、ミーハー根性丸出しで会ってみたいがしかし、会って別にドーとゆーこともないのが実情とゆーものである。さしあたって聞いてみたいことは色々あるが、聖徳太子のパンツの色なんてあんまり聞いてもしょーがないよーな気もする。
例えばここに、歴史上の人物として小野妹子がいたとしよう。このヒト、聖徳太子のパシリで遣隋使と称して一方的に「オレの日本とオマエの隋は今日からダチだ」とかいう内容の国書を持っていった人である。一応、偉い人である。パシリだが。どっかの事務所の応接セットの椅子に座る小野妹子。妹萌えのヒトにはたまらない名前である。隙あらば「おにーちゃん」とか言わせてみたい。「いや、男性の方だったんですねー、てっきり女性の方だとばかり」僕は言ってしまうだろう。いかなる歴史上の人物といえども、相手が女の子ベイベーであればインタビューと称してスリーサイズとか彼氏の有無とか、いたらいたで浮気についてどう想うかとか、休みの日程とか、今夜の予定とか、おにーちゃん萌えかどうか聞きたくてウキウキしていたことは言うまでもない。生き様とは多分そーゆーものだ。一体何に裏切られたのか良く分からない、そんなやり場のない憤懣のままに、「新宿二丁目にいいゲイバーがあるんですがどーでしょう」とか、本人も気にしてそうな無礼なことを言ってしまいそうで自分が怖い。絶対インタビュアーとかそーゆー職業に向いてない気がする。小野妹子がもしワラキア公国ヴラド串刺公ばり苛烈な性格だったら、開始二秒で無礼討ちである。
同様に、歴史上のゲイ列伝によく列記される愉快な人々(プラトンとかダヴィンチとかミケランジェロとか松尾芭蕉とか)をハッテン場にほりこんでみたり、半ズボンの少年について「ドーですかドーですか」と某社長の如くおすすめしてみたり、話を聞いたりしてみたい。まったく無礼きわまりない。
場末のバーのカウンター。
僕らは例によって与太話をつまみに、イギリスのスコッチをロックで飲っていた。
「歴史上の人物に会って、話してみたいなんて想うことはあるかい?」
女の子ベイベーにきいてみる。
「吉川晃司」
「・・・それは、NHK番組史上とかそーゆーイキオイの歴史か?」
「サイン下さいって言うの。名前入りで」
そんな歴史に残らない秘密の夜だった。
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小野妹子が妹萌えなのか気になって眠れない
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