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愛の100万円デート [コラム]

 デートというものを勘違いしてはいけない。それは特別な出来事。非日常の世界なのである。男は女を、女は男を、相手ベイベーを萌やしつくそうと姿形からパッツンパッツンに気合を入れまくり、日時と場所を決めて邂逅する。しかる後、「デートぴあ」等で十二分に下調べをしたロマンあふるるスポットに割引券を持って向かい、なんか美味いもん食ったり、トキメキ一杯に遊んだり、ちょっと小粋な台詞を恥ずかしげもなく真顔で吹聴したり、可愛げな小物を自分の金で買ってプレゼントと称して無言で対価を要求したりするという、愛と情熱のロマンチシズム大爆発の一連の作業の総称であるはずだ。多分。

 予算の都合によって内容は大きく変わってくるので、正しいデートなんてものが存在するのかドーなのか知らないが、もし予算が100万くらいあったら多分こんなんだろう。心の清い人にはピンクのキャデラックに見える10年落ちの洗車してないカルディナを女の子のベイベーの家の前に乗り付けて、スーパー店頭販売用のラウドスピーカー構える。トリガー引く。「迎えに来たよベイベー!」インターホンを押す前にそう言ってご町内にアピールするのがポイントだ。次なるはトランクをぶち開けて、取り出しましたる豪奢っぽい赤い絨毯的なもの。ちなみにこれは絨毯でなければ類似品をホームセンター等にてメートル幾らで注文できるはずだ。これを玄関先までぶち転がす。非日常としては申し分ないだろう。

 助手席のドアを開けて待つこと30分。寒風の中、首元を開けたシャツで耐えること30分。駆け足で出てきたシャイでウラハラな女の子ベイベーに便所スリッパでぶん殴られて土下座5分。説教30分。気を取り直して女の子ベイベーを助手席に大歓迎。扉をぶち閉めたら、自分はボンネットの上を一回転半くらい転がり、運転席にパイルダーオン。そしてキメの笑顔。この時のポイントは、歯が白く輝いているかどうかだ。「何処に行こうか?!」「ダイエー。牛乳きらしてるから」「キミがいればダイエー地下食料品売場だって極上パラダイスさ!」そんでダイエー行って試食品のウインナー食って、牛乳買って帰ってくるわけである。

 場末のバーのカウンター。
 コルトレーンのメロディが流れていた。
 こめかみを押さえながら女の子ベイベー。
「地下食料品売場で、どーやって愛を語るのよ」
「さちこさーん、とか、ゆきおさーんとか見つめあって大根持ってコレ安いとか何とか言うんじゃねえのか」
「大体、そんなの100万の予算がすごく余るんじゃないの」
 僕はニヤリとして言った。
「山分けでどうだ」

 揺れる女心の結果、女の子ベイベーは言った。

「ロクヨンで」

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愛の本場の味 [コラム]

 僕らはまがいものじゃ我慢できない。山岡先生だって「こんなものは違う。オレが本物を食わせてやる」なんて女の子ベイベーの手前、息巻いている。我慢できないのである。いや、我慢してるんだが出来れば本場の味を確かめてみたい。そーゆーことはよくある。早速カニカマを食っている。これはカニだと自分に言い聞かせている。憧れの本場は遠く、そして僕には渡航費すら無かった。

 本場の味といえばラーメンだが、中国4000年の味がするラーメンとか大変やでキミ。4000年とか慣用句的に言ってしまうが、それが紀元前であることくらいちょっと計算したらすぐにわかる。あの三国志の時代でも日本人は頭の横に髪の毛まとめて古墳作ってたくらいで、卑弥呼がうんたら言うてる時代である。さらに倍。その2000年前いうたら、伝説もいいところ、夏王朝の時代である。書物で「そーゆーのがあったらしい。あったんじゃないかな、多分」くらいにしか書いていない時代に果たしてラーメンがあったのかどーか不明だが、らしき物体はあったのかもしれない。どんな味やねん。

 本場の味といえばカレーだが、インドはインドで、世界最古の4大文明の一つ、インダス文明があったというくらいには歴史が古い。気の遠くなるような話で、文明の発生と同時にカレー食ってたりするのかどうか知らないが、ラーメンといいカレーといい、歴史ある本場の味を食ってみたいと思うのは当然の帰結だろう。いざ。いざ。うん。これはアレだ。多分アレだ。連中の舌の感覚と僕ら日本人のソレとはどーも違うらしい。だから、本場の味というのは僕ら日本人にとってはラーメンつったら北海道とか九州とか環八沿いの行列のできる店であり、カレーは横浜なのである。

 面白い話といえば、本物の麻婆豆腐は危険らしい。本当かどうか知らないが、四川方面のバーさんが辛い豆腐に胡椒のかわりに裏の畑で自家栽培した大麻ぶちこんで実にスパイシーな料理を考案したところ、「あの店の麻婆豆腐は一度食ったらヤメられない」と大評判になったとかいう与太話もあるくらいである。カレーはカレーで似たような話があって、ご存知の通り香辛料がキメ手なんだそうだ。そいつは印度人もびっくりである。

 それでも僕らはパチもんなんかじゃ我慢できない。本物志向と呼んでくれ。そして、校庭にある伝説の樹の下で女の子ベイベーに告白されていた。それが恋愛シミュレーションゲームの中の話であることは言うまでもないがしかし、ここはやはり、本場に向かうべきであろう。鍛えに鍛えた百戦錬磨の愛の技。ラブハンターがここにいるぜ。ターゲットロックオン。本物リアル女の子ベイベーに向かって、本場の味を確かめに、竹ヤリでB29を撃ち落とす勢いも勇ましく早速突貫なのである。

 場末のバーのカウンターでは、静かにトランペットの音色が流れていた。
「で、それからどーだったのよ」
 おまかせのショートカクテルを飲みながら女の子ベイベー。
 僕は、ヤケクソのようにケンタッキーバーボンをあおっていた。
 遠い目をしていた。

「うん、まったく別物だった。何しろコマンドが出てこねぇ」

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開始5分でゲームオーバー
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愛の餅アーティスト [コラム]

 サトウの切り餅がストーブの上で焼けている。お餅の食べ方、それは古来より数多の人類が頭を悩ませながら、「もう食い飽きたよコレ」っつーくらい食っては各種様々な方法でもって新しい食べ方を研究するとゆー男の浪漫あふるる研究対象である。大量に余った餅は、消費しなければならない。醤油つけて海苔巻いて食うという、至極まっとうな方法論に始まり、カレーにつけたり、お好み焼きにぶちこんだりと、バリエーションは豊富にとりそろっている。だがしかし。それでいいのか。悪魔が囁いた。今まで誰も食ったことのない、オリジナルな食い方があるんじゃないのか。情報販売で5~6ページの小雑誌にして一冊5000円で売れるよーな食い方があるんじゃあないのか。気の弱い女子高生だったら、むせび泣いて結婚して下さいとか言うような食い方があるんじゃあないのか。画一化した現代社会の餅の食い方に風穴を開ける、新進気鋭の餅の食い方アーティストの誕生である。ろくでもないことは、言うまでもない。

 新進気鋭の餅の食い方アーティストとしては、名刺にそんな肩書きを書いてデビューするのならば、残念ながらマイナーなジャンルなので話題づくりの点から考えなければならない。餅で世界一周とか、餅で音速を超えたとか、餅で大気圏突入とか、餅で1/1000バッキンガム宮殿を作りましたとか、餅で嫁さんを作りましたこれが本当のもち肌とか、そんなんだ多分。そして、記者会見で新しい餅の食い方を大発表。つめかける報道陣。まばたくフラッシュ。「ソースつけて食います!」「おおー!」モチ御殿が建つ日も近い。

 そんなわきゃーねぇだろう。

 ストーブの前で見る白日夢。「フッ、人生と餅は、よく似ている・・・」女の子ベイベーがため息をついた。「どーせまた何かくだらないこと考えてたんでしょう」大当たり一等賞ハワイ旅行ペアご招待、はりきって自腹でどうぞって話だが、男のプライドに懸けて、そうだとは言いたくなかったものだ。だから言ってやったってわけさ。

「僕よりSMAPの皆さんの方が格好いいことは認めよう。だから、ストーブの上にアルミホイルしいてサトウの切り餅焼いてるんだ」
 ピンと来たらしい。
「やき・・・もち?」

「しょーゆとってくれ」

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普通に食うのが一番だ
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愛の寝正月 [コラム]

 正月の過ごし方は人それぞれだ。おせち料理を食うも良し。お年玉をカツアゲして廻るのも良し。宇宙人と闘って人知れず地球を守ってみるも良し。墓参りに出かけて盆と正月が一遍に来たことを主張してみるのも良し。「俺より強いヤツに会いに行く」とか何とか言って謎の吸血生物チュパカブラを追い求めて旅立ってみるのも良いだろう。僕らは自由だ。正月の過ごし方なんて各種様々よりどりみどりつかみどりである。だがしかし僕は、連綿と続く日本人の由緒正しい正月の過ごし方であるところの、その名も「寝正月」を余儀無くされていた。金が無いからだ。タフでハードボイルドなロングコートの襟元を頭までかぶって、女の子ベイベーにゆってみる。「金がないのは、首がないのと一緒だよな」「で、それは何」「ジャミラ」「おもしろくないわ」「奇遇だな」

 正月というのは、意外とヒマなものである。凧揚げ、羽つき、コマまわし、お年玉といったお楽しみイベントは、純朴な少年少女のためのものであって、タフでハードボイルドなロッカーとしては正月パチンコをする金も無い。部屋で4回転半クアドラプルばりにゴロゴロしている。具体的に言うと、あおむけになった状態から身体のバネを利用し、部屋の端まで転がって、壁に当たったら反対向きに転がる勢いだ。ちなみに3回やったら飽きる。指に当たった携帯電話。正月。年始の挨拶と称して女の子ベイベーに公然と電話するには絶好の口実だった。

 受話器に向かってテンション高くこう言った。「おーめーでーとぅございます!」背景的には傘の上でマスとか廻ってる勢いだ。電話のむこーのテンションは真逆だった。背景的には墓場か何かで心配性のお父さんの顔に縦線が入ってるカンジだ。そーゆーことはよくある。女の子ベイベーは言った。「おめでとーハアハア」「今何してんの?ハアハア」「正月早々184も押さずにハアハア電話かけてくるとは思わなかったわ」「ヒマなんだよ。そっちがハアハアいってるからあわせたんだ。パンツの色でも教えてくれるか、もしヒマだったら初詣と称して今年2回目のただの詣でに行かないか?」「あいにくね、風邪引いたのよ」世界人類の平和を願うのはまたの機会にしよう。

 手土産にアイスクリーム。ブラウン管の向こうをぼんやりながめながら、ストーブの前でぐったり。古来から連綿と続く由緒正しい寝正月。伝統文化も悪くはないよ。正月のゆるい空気の中で、ゆるい時間が流れていった。

 夢の中でならベイベー、福袋だって100個買えるさ。

 その結果、ジムとボールのいらんガンプラで今年の大掃除が大変になるとゆー素敵な夢にうなされことは言うまでもない。

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世界人類の平和はたまに願ってる
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愛の歴史的瞬間 [コラム]

 僕らは問わずにはいられない。「何故、なんで山に登るんですか」登山家の山男は、決まりきったことのように答える。「そこに山があるからさ」ニヤリ。だから、僕らは年が変わるカウントダウンの瞬間にジャンプしなければならない。そんなもんはお約束に決まっているだろう。その後、「オレ、年が変わる瞬間に地球上にいなかった!」などと称して大騒ぎしなければならない。それがルールだ。毛も生えそろっていない純朴な少年ではないのだから、そんなことはしないかとゆーとそーでもない。いつまでも毛の生えそろっていない純朴な少年の心を大切にしたいと思う。何事も継続は力らしいので、90歳くらいになったら人間国宝に指定されるかもしれない。そんな歴史的瞬間。昨今ではカウントダウンパーティと称して、大晦日から元旦にかけて各種様々なイベントが催されているらしい。古来から連綿と続く由緒正しいスタンダードな日本人の風習としては、昼間は買い物、大掃除。それからおせち料理を作って紅白歌合戦とレコード大賞、コマーシャル毎にチャンネルを切り替えながら眺めて、どんべえ天ソバで年越し蕎麦なんか食いながら「ゆく年くる年」をよそ目に初詣、初日の出を見て寝る流れある。実に昭和80年代的なんだが、当時はK1も男祭りもジャニーズカウントダウンもなかったのだから仕方がない。おめでとうありがとう。飛び出すクラッカー。飛び出す新年。飛び出すお年玉要求の手の平。その日あまねく全てのバーで、スナックで、おっぱいパブで、乾杯のグラスがぶつけられた。早速テレビがお正月はフジカラーで写すべきであることを主張していた。実に正月である。

「あけましておめでとう」「あけおめ~」歴史的な瞬間、歴史的な僕らは、歴史的な慣用句を口にする。初めて詣でるには、まだ人が多すぎる時間帯。ぼんやりとブラウン管を眺めて時間をつぶしていた。今年がどんな年になるのか、そんな先のことなんてわからないよ。去年がどんな年だったのかなんて、それももう、忘れちまった。リアルな今、僕の目の前にあるのは、歳とった少年隊東山先生が仮面舞踏会を踊り歌っているという厳然たる事実である。まさに人生、迷い込んだイリュージョンさながらである。今ここが時の止まった楽園なのかどうかは不明だが、それに目を輝かせている僕に眉をひそめる女の子ベイベーの心もうらはらであると信じたい。マッチ先生が名曲「愚か者」を歌ってくれなかったのが少し残念だった。

 そろそろ詣でるか。そして、賽銭に対する通俗で煩悩あふるる要求と、ささやかな個人的な幸せを願おう。それからおみくじを引いて、甘酒を飲んで、タフでハードボイルドなおでん食って帰ってくるんだ。あそこのおでんは本当にカタイんだ。タフでハードボイルドな、いつかの記憶がよみがえる。

 神社を前にして、女の子ベイベーが言った。

「そーいや弁天様ってカップルが来るとなんかムカつくらしーわねぇ」
「・・・ほう」
「別れさせたりするんだって」(にこにこ)
「え、おい、ちょっと待てマジかソレここの祭神って何だっけ」
「さあいきましょお」(にこにこ)
「ちょ、おーい!おーいってば!捨てないでくれぇぇぇぇぇ!」
「あはは、こっちよー」(にこにこ)

 そーゆーのは海辺でやるもんだと思っていた。

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シャイなイイワケを仮面で隠した
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愛の謹賀新年 [コラム]

 M字開脚ばりに新年がやってきた。あけましておめでとうございます。コングラチュレイション。スタンディングオベイション。ハッピー、ハッピーニューイヤー。ぶっちゃけた話、新年が明けたという事実については、さしたる感慨もないのではあるけれども、僕の心の中に居る祭り好きの兄貴としては例によってフンドシ一丁で御輿かついでハッスルしたいらしい。そーゆーものである。カレンダーの日付が1月1日に戻るということに便乗し、気持ちと心を入れ替えて心機一転、真新しい気持ちで真新しい朝を真新しい六尺フンドシでミコシかついで町中練り走りたいものである。

 2006年1月1日、元旦。全てはここから始まる。壮大な計画としては、今年は女の子ベイベーにモテまくり、札束のプールをバタフライでバッタバッタと泳ぐとともに、人生の勝ち組に編入する予定である。予定は未定なので計画は早速初日にして頓挫しそうな勢いが濃厚であった。朝早く届いた年賀状は女の子ベイベーからのものは一通として無く、郵便ポストには今さらのように年末謝恩セールのご案内ハガキと、ピンサロのポスティングチラシが入っていた。暗礁に乗り上げるのも時間の問題である。銀行はどーも金が引き出せないらしく、明日と三が日を生きていくための財布の中身などは壊滅的なことになっていた。このレシートの束が全部万札だったら、きっと僕は六本木ヒルズにだって住めるだろう。だがしかし、やはりそれはただのレシートだった。きっと、雪の降る寒い夜に売り物のマッチでも擦らないと夢は見られないんだろう。僕は無言でギターを取り出して、吸いかけの煙草をギターのヘッドにはさむとともに、ヤケクソのようなピッキングでブルースあふるるチョーキングをキメた。まったくおめでたい。6尺フンドシでミコシかついで町中練り走りたいくらいだ。

 そして、今年最初のリトルウイングを自分のために弾いている。リンドバーグの方じゃないぜ。ジミヘンだ。真新しい世界はあまりにも美しく広大で、際限のない自由に目がまわりそうさ。僕の翼は小さくてたよりないけれど、逆巻く風の中を何処までも飛び続けていくだろう。ベイベー、あけましておめでとう。金、かしてくれ。むしろお年玉などくれないか。急用を思い出した女の子ベイベーは晴れ着を実家にとりに帰ったらしい。ジャニーズ歌合戦のカウントダウンとともに迎えた新年では、早速マッチ先生が「スニーカーぶる~す」を歌っていらっしゃった。僕はつま先に鉄板の入った安全靴ぶる~すを歌っていた。

 人生はまるで、下りのエスカレーターを駆け上るようにして過ぎていく。この階じゃ満足できないからさ。5階のおもちゃ売り場まで行きたいんだよベイベー。紳士服売り場なんてドーでもいいんだ。そして、そんな風に生きていくためには一人じゃできないことを知っていた。だから、いつも笑って見ていてくれるキミに、さりげなく、それとなく、百万の感謝とともに、今年最初の笑顔でキミに、こう言いたかったんだ。僕の魂の叫びを今日は聞いてくれ。いくぜ。

 旧年中はお世話になりました。
 今年もよろしくお願いいたします。

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新年早々こんな調子で謹賀新年
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愛の大晦日 [コラム]

 大晦日、今年も今日でどんづまり。感動的なフィナーレかと思いきや、まるでサザエさんの最終回みたいにあんまり変わらない。新番組みたいな新年が始まるといっても今年の続編なので、たとえるならRがSになってSupersになるくらいのものである。グラップラーだった人もカタカナ2文字になって、その後、苗字がつくよーなものである。「ちっげーよわかってねぇなあ」とかいわれそうだが、気分的にはそんな感じ。いきなり男坂を登り始めたばかりのところで終わったりはしないらしい。そんな一年を僕なりに振り返ってみたいと思う。早速振り返るんじゃなかったと思う。なんか見てはいけないものを見てしまったよーな気がする。さあ、もうすぐ年が明ける。

 2005年。中部空港ができて、セントレア市ができなくて、愛知万博が開催されて、サッカーはワールドカップ予選を通過した。一方、ブルートレイン「さくら」「あさかぜ」は廃止になり、ZONEは解散し、ドラえもんの声優の耳慣れた面々は交代し、火曜サスペンス劇場は終了した。僕らは相変わらずブルースなんだかロックなんだか昭和枯れススキなんだかよくわからない事をしていた。タフでハードボイルドなスカポンタンの毎日はマッハの勢いで流れていった。その間、タンスのカドに足の小指をぶつけて涙する日もあった。ギターを振り回して大回転奏法を試みたところ、ギターの前に自分の目がまわって倒れたこともあった。そうして僕の上にはいろんな出来事が降りかかってきた。女の子ベイベーの便所スリッパをはじめとして、一斗缶やら金ダライやら16tハンマーが落ちてきた。そんなことがあるたびに、僕は言ってやったものさ。「わが生涯に一片の悔い無し!」自分で言うのも何だが大嘘である。

 何も始まっていないからきっと、何も終わってはいない。今年も来年も、きっとあんまり変わらないだろう。そして、気がついたら毛が生えているくらには少しづつ変わってしまうのかもしれない。大掃除しきれなかったコックピットのような部屋では、もうすぐカウントダウンが始まる。大いなる夜明けはもうすぐだ。さらば。さらば今年の日よ。そして。そしてウエルカム新年よ。電話の向こうの女の子ベイベーに聞いてみる。忘れ物はないか。ない。ならばよし。振り返るな。顔をあげて、胸をはっていくのさ。進路グリーンオールクリア。そーいやクリスマスプレゼントって僕、交換になんかもらったっけか?3、え。2、ちょっ、1。あー!

 加速するGの中で僕は言った。

 来年もよろしく。

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来年はがんばりたいと思います
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愛の大掃除 [コラム]

 年末といえば大掃除をするという風習があるらしい。小掃除とか中掃除では済ませない大掃除というくらいだから、爪楊枝まで飛び出す大作戦かと思いきや、ウイルスとスパイウェアや体験版ソフトにやられたコンピューターのように「あーこれ再インストールした方がいいんじゃないっスか?」という惨状に目を覆っている。誰かが部屋に来た時なんかは大変だ。「足の踏み場が無いっていうけど、本当に無いのは初めて見たわ」「何をゆーか、その本の上は大丈夫だ多分。あ、体重かける前になんか下でバキッとかいわないか確認してね」これを全部片付けるには、大掃除なんて呼称は生ぬるい。巨掃除だ。そもそも男って生き物は大体、風呂敷広げてたたみもしないのが得意技なので、僕もまた「出したもんくらい自分で片付けなさいよ」とか母親に言われて育ってきた。今ではたまに女の子ベイベーに言われている。ちなみに、その件に関しては「何?うまいのか?!灯台もと暗しなのか?!そんなうまい汁が出てるんだったらグルメな僕としては一発試してみないわけにはいかんだろう」ということもあったのだが、あんまりお薦めできないものであった。紳士淑女の皆さんにおかれましては、この前の文章および数秒くらいの記憶はなかったことにしてほしい。楽屋ネタなので基本的にノーコメントである。で、そんな年末大掃除大会に先駆けて、僕は高校野球みたいに高らかに宣言した。「無理っ」

 掃除のコツはモノを捨てることだと誰かが言った。だから真っ先にそーゆー記憶なんぞを捨ててみたい衝動に駆られるのだが、初めてもらったラブレターみたいに心の額縁に入れて飾ってあることは多い。大体、黄金に光り輝くプラスチックの東京タワーの横に何故か温度計がついているインテリアなんぞ、置いておくスペースはないはずである。年単位で使われなかった浪漫あふるる魅惑のゴム製品なんぞも、泣き出す前に窓から投げ捨ててしまいたい。何処にも貼られなかったプリクラのシートが出てくる。恥ずかしくて歌えなかった、たった一人の女の子ベイベーを称えるためだけの歌詞とコード表が出てくる。ご丁寧にハートマークなんか書いてある。手編みのマフラーが出てくる。心の絨毯爆撃は大空襲の勢いで、僕の心を焼け野原にするのにあんまり時間はかからなかった。冬の日本海が見たくなった。

 僕は灰皿の吸殻を生ゴミ袋にぶちこんだ。「大掃除完了」早速の出来栄えに、僕はスガスガシイ気分で額の汗をぬぐう。その汗がちょっと冷たかったことは秘密。

 場末のバーのカウンターで二人。僕はマティーニの入ったグラスに唇をつけている。女の子ベイベーは言った。
「それは大掃除じゃなくて、微掃除ってゆーんじゃないの」
「極大は極小に通じるってどっかで聞いたことないか?火の鳥だっけ」
「そういうものかしら」
「そういうもんなんだよ」
「あんまり関係ないような気がするわ」
「そういうのを気のせいって言うんだ」

 使い古しのジッポで、煙草に火をつける。僕は格好つけてみることにした。

「自分で片付けられない愛のメモリーなら、誰かに綺麗さっぱり忘れさせてほしいって時もあるんだよ。掃除は得意かい?」

 女の子ベイベーはあさっての方向を向いて、ミックスピザを注文していた。

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掃除は得意じゃないらしい
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■年末企画 歓喜の歌 Ver.051230
モトネタ以外は自作自演
http://www.gt-works.com/togami/music/no9_051230.mp3


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愛の年末 [コラム]

 一年の計は元旦にあるくらいなので、年末は一年の計の結論である。・・・。結論から言うと大失敗なので、なんか無言で部屋の隅っこに移動して体育座りでえぐえぐしたい気分になる。そーゆーことはよくある。脳の中で別の自分が言った。そんなあなたに朗報。落ち込むヒマもないくらい忙しいのはきっといいことだ。年末のクソ忙しい時に大掃除をする理由なんて、そんなもんである。いらないものをゴミ箱にぶちこんで、要るものだけを抱えてる。昔、誰かが言った。生きていくのに必要なものなんて、きっと両手に抱えられる分くらいが相応なんだろう。ああ。そうか。両手で抱えきれないほどのものを、僕は持っていたのだな。自慢の21インチ大型ディスプレイを抱えて、パソコン本体をどうしたもんかと途方に暮れていた。本体が言った。「あたしを置いて行くの?行ってしまうの?」どっかからガンダムSEEDのエンディングテーマがかかっていた。スピーカーからは、あんなに一緒だったのにとか何とか言っていやがる。僕は指さして言った。「I NEED YOU」すかさず自慢の21インチ大型ディスプレイが言った。「あたしは?太ってる子はキライなの?やっぱりあなたも今ハヤリの液晶薄型17インチくらいのスレンダーな子がいいの?」僕は言ってやった。「安心しろ。その件に関してはデブ専だ」大艦巨砲主義は男の浪漫である。そうか。僕は暗闇の裸電球に灯りがつくように気がついた。両手で抱えられないものを持ってるから、きっと家賃を払っているのである。面倒なことは金で解決とゆー、実にイヤな大人になっちまったなぁとか、そーゆーことがフと頭をよぎった。それが多分、大人になるってことなんだろう。置き去りにされたケーブル類とプリンターが、俺たちはどーなるんだとか言っていた。

 今年やりのこしたことはないかとカレンダーが言った。まだ数日あるからだ。女の子ベイベーに聞いた。「僕が今年やり残してることって何かあったっけ」「メジャーデビュー?」・・・。なんかふれてはいけないところにふれてきたので、軽く遠い目をする。後ろ、ふりかえること、これ、いくない。いくないことである。前途ある若者としては前とか未来とか見つめるものである。「そうだ、初詣には伊勢神宮に行こう」「バーキン百個買ってくれるんだっけ」「うまい棒に一本一本マッキーで真心こめてバーキンて書いてやるから、それで手をうつ気は無いか」「ふ、男なんてみんなそうよね・・・」こっちはこっちで何かふれてはいけない部分に抵触したらしい。気がつけば右も左も地雷が埋まってる未体験ゾーンに突入だ。とりあえず何事もなかったことにするためには、何か別のファクターが必要だった。「なんか景気づけに音楽でもかけよう」スピーカーからは名曲「シャアが来る」来ていらん。来るなそんなもん。だがしかし、この戦場で後に戻れば地獄に落ちるらしいので、やっぱり僕ら、前にしか進めないようだ。机の裏側のLANケーブルみたいに話がこんがらがってよくわからなくなってきたので、なんか二人してベランダの向こうを眺めては、遠い目をしていた。僕は言ったさ。「それでもいつか、この小さな手でシアワセってヤツをつかんでやるんだ」

 女の子ベイベーは、なんか思いついたようにフスマの向こう側に行った。
 戻ってきた時には一本のうまい棒めんたい味。

「しあわせ」と書いてあった。

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愛の大告白 [コラム]

 相手を傷つけずに断る方法だって?花も恥らう乙女ベイベーが言った。あなたのことが好きなんです。歌のタイトルで言うところのConfession告白である。大告白である。言ってる方としては、心臓はバクバクと早鳴り、血液はドクドクと脈打ち、目はシパシパと、口はカラカラと、足はガクガクと、猫はニャーニャーと、そして今にもぶっ倒れんばかりになって相手の言葉を待っている。男は言った。「まぁ落ち着け」

 あんまり好きではない相手に告白された時、男が考えることは幾つかある。好きではないのだから断ればいいのだが、相手は花も恥らう乙女ベイベー。そんなうら若い娘さんが足をふるわせながら胸に秘めたる熱い想いを告げているのならば、どうしてそれを無下にすることができよう。通常であれば結婚して下さいとか言うところである。挙式は教会式で、新婚旅行は伊勢戦国時代村である。大丈夫ニャンマゲだってきっといる。好みとか好みじゃないとか関係ない。「女の子の方から自分に告白してくれた」という未曾有の出来事にどう対応していいかわからんのである。その時点でメーターは振り切れているのである。漫画だったらボンとか煙ふいてぶっ壊れていてもおかしくはない。「人生の勝利者」とか「パラダイス銀河」とか「棚からぼたもち」とか「123番台ラッキースタート」とか景気の良さそうな単語が脳裏に並ぶ。手に手をとって愛の大海原へどんぶらこと漕ぎ出していくボンボヤージュがもう大変。軽く思考が新婚旅行に旅立ったところで我に返る。

 ちょっと待ってみようか。そもそも僕が告白されるはずがない。もてない理由など、数え上げれば両手の指で足りないくらいだ。ドッキリカメラではないのか。カメラは何処だ。プラカード持ったおっさんは何処で待機している。照明さんは何処だ。音声さんは何処だ。ギャラは出るのか。地上観測衛星ランドサットが僕を見張ってるんじゃないのか。インカムつけて画面の前でインクレデボーとか何とか言ってんじゃないのか。それとも新手のキャトルミューティレーションだろうか。ウカツにも二つ返事で「ふーじこちゃんにはこっちの武器でぇぇぇぇ」とか何とかいってジャンプしたらその後、伸縮式メカのボクシンググローブで殴られたところでキメの音楽とともに劇画タッチで場面転換。鏡にルージュでなんか描いてあるどころか、気を失ったところ異星人の家までつれてかれて鼻の奥に謎の金属物体を埋め込まれて数日間の記憶なしか。その手にのるもんか。だから僕は言ってやったってわけさ。「結婚してください」

 キラッキラした目を輝かせて僕は今夜ローソンで赤飯おにぎりを買って返ろうとか思っていた。

「え、あは、あはは」
「あははははははははははははは。とーさんかーさん息子はやりましたー!子供は三人でいいっすかー!待ってろにゃんまげー!ウェルカム扶養家族手当ー!天国のおじーちゃーん!イエー!」

 乙女ベイベーは言った。

「あの、あのっ、さよならっ」

 結構本気だったことは言うまでもない。

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まずは交換日記からだったのか
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