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普通

 普通だと思ってたのに、何だか違っていた。僕が乗っているのは快速電車だったから、降りる駅のホームが目の前で通り過ぎていく。「あぁぁあぁあぁ」などと情けない声を出しながら、僕が乗ったのは普通じゃなかったんだなーなどと思うことはよくある。

 そんな、普通との違いについて今日は考えてみたい。

 普通とゆーのは、幸せな家庭に望まれて生まれ、すくすくと育ち、学校を出てサラリーマンになることダ、というヒトがいる。まぁそれはわかるんだが、必ずしも僕らはそれが正しいとは思っていない。よくある話だが、ミュージシャンになってメジャーデビューしたい連中はたくさんいる。ステキな夢だが、おとーさんやおかーさんは大抵反対する。「とーさん!オレ、音楽でメシくいたいんだ!」「じゃあその腕前をとーさんに見せてみろ。おとーさんが感動するようなのが弾けたら認めてやってもいい」「わかったよ!聞いてくれよ!」べんべんぼこべけぼんぼぼずぼぼぼぶっびんべけぼこ。彼の不幸はベースだったことだ。「・・・・やめなさい」「チキショー!大人は何もわかってくれない!」などとゆーこともよくある風景だ。

 クリエイティブな僕らは、ヒトと一緒であることを拒絶する。パクリとか言われるからだ。オリジナリティを出せ、とか言われるので、ギターを燃やしてみたり、奇抜なメイクをしてみたり、客と殴り合いのケンカをしたり皆さん色々やってるらしい。そんなオリジナリティも、だがしかし自分では普通だと思ってやってる部分もまれにある。たとえばトイレというのは自分ひとりのブライベートな密室なので、そのいたし方もそれぞれだ。ガチャ。「あ、ごめん、つか、あんたどーゆー座り方してん」「え?なにが?」「わたし、洋式便器に和式で座るヤツはじめてみた」「ええええ?」「それ、フツーじゃない」「うそ!フツーどーやって座るんだよ」「どきなさいよ、こう!ケツ出してこう!」「マジか!すげぇ!しらなかった!ウチの家族はみんなこーしてたぜ!」ということはまれにあるらしい。いやウソのような話だけどマジで。

 ところで、その昔僕は普通の男女交際とゆーのは、小指と小指が触れるのにも頬を赤らめるような二人が交換日記をすることだと信じていた。いまだにやったことがない。あと、デートというのはソフトクリームを食って遊園地に行ったり、ボートに乗って舌を入れないチューをするもんだと思っていた。いまだにやったことがない。僕は普通の恋愛をしてこなかったのだろうかとか不安になる。

 誰一人わかってもらえなくても、キミだけがわかってくれる恋なら、それはきっと普通じゃない。そんな特別なキミとなら、普通じゃない特別な毎日が送れるってもんさ

 そう僕は、キミがいない世界を普通だと思っていた。


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